山口県産徳山石のお墓の移設工事。地上式納骨室のお参りしやすいお墓へ。飯塚市営飯塚霊園
ご覧いただきありがとうございます。博多の森石材店の寺田公平です。今回は飯塚市営飯塚霊園にて、山口県産徳山石のお墓の移設工事をさせていただきましたので、ご紹介します!
完成したお墓のお写真
【山口県産徳山石のお墓 移設工事 飯塚市営飯塚霊園】
ご相談いただいた経緯と内容
ホームページをご覧になったお客様から、お電話でお問い合わせいただきました。飯塚市の飯塚市営霊園に墓地をお持ちなので、今別の場所にあるお墓をそちらに移したいというご相談でした。場所を詳しく教えていただいて、今あるお墓と移設先の飯塚霊園の墓地の両方を見に行かせていただきました。
こちらが移設するお墓です。山口県産徳山石の立派なお墓です。数十年は経っていましたがきれいにお参りされている印象でした。ただ、立地的にお参りしにくいので移設をご希望されたようです。お客様のご希望としては、使える石はそのまま使いたいとおっしゃっていました。石塔の寸法や、石の状態の確認などをして、お客様に見ていただくためのお写真もたくさん撮りました。
こちらは移設先の飯塚霊園の普通墓地6㎡です。外柵部分は霊園で既設されています。当初はお墓をすべて作りかえることもお考えだったようですが、墓石は十分に使用できる状態でしたし、移設先の周りのお墓とも大きさ等のバランスがよく、移設しやすいなという印象でした。
お客様にまずご提案したカラー図面です。納骨のしやすい観音扉式の納骨室にしたいというご希望もありましたので、移設する部分を合わせてシンプルな形でご提案しました。黄色の部分は移設してくる部分で、お墓の本体とお花立て・法名碑です。
その後、「灯篭とベンチを追加してほしい」というご希望がありましたので、追加した図面を再度ご提案しました。ベンチを左手に置くため法名碑を右手に移動して、入り口脇に墓前灯篭を一対置くことになりました。
完成です!
基礎工事、新しい石と移設してきた墓石の据え付けを経て、完成です!
納骨室の天板の奥行きなどを周りのお墓の大きさに合わせて調整したところ、お線香立てを天板の上に乗せるスペースがなかったので、お墓の手前に台を設けてその上にお線香立てを設置しました。周りのお墓に同じような形があってとても豪華な印象を受けたので取り入れたのですが、周囲ともバッチリ調和が取れています。
移設してきたお墓部分です。一番上の棹石と、その下の2段の台石、家紋が入った手前のお水鉢を移設してきました。今回、移設した部分はクリーニングで水垢等を除去してきれいにし、彫刻の色の入れ直しを行いました。
棹石です。水垢をきれいにとってきれいにしてから、文字色を入れました。もともとの色がうっすらと残っていたのですが、それをきれいに取り除いてから入れ直しました。徳山石特有のきれいな石肌が見えいています。上台には、印のように座布団加工がされていました。高級感が感じられる立派な造りです。
上台の後方です。今回は、今までの文字にならって文字を起こし、一番左の6代目の方のお名前を彫らせていただきました。
水鉢と台部分です。これらは一度工場へ持ち帰り、きれいにクリーニングをして再度据え直しています。再研磨まではしていませんが、とてもきれいになりました!
水鉢のこの部分は、もともと研磨もされておらず、かなり頑固な汚れがついていました。ここは軽く研磨をかけ、表面を薄く削ってきれいにしました。
お線香・蝋燭立てと、納骨室の入り口部分です。手前に設けた台の上に設置しました。福岡エリアではあまりこうした設計は見られませんが、こちらでの伝統的な形を継承しました。
お花立ては移設してきたものです。高さのあるものでしたので、本来であればカットして納骨室の天面に設置しますが、そのままの高さを活かして、ちょうどバランスよくこの台の横に設置することができました。脱着できるステンレス製の花筒を入れましたので、お水の交換なども楽にできます。
お線香・蝋燭立ての扉を開けたところはこのようになっています。扉は格子状になっていて空気を通すので、お参りの後に扉をしめても火が消えることがありません。最近では、特に人気のあるタイプです。
その下の扉は、納骨室の扉です。ご希望の観音開きの納骨室です。内部は十分な広さがあり、入り口の高さと幅も十分確保されているので、ご納骨も楽に行うことができます。
納骨室の左右と後方の3方向に空気口を設けました。内部に湿気が溜まらないようにします。
入り口からお参り部分です。既設のブロックの階段部分にも、化粧石を貼りました。
入り口階段脇の灯篭です。一般的な角型墓前灯篭とは違い、笠の角が丸くなっています。お参りの際にひっかかって怪我をしないように配慮しています。
物置兼ベンチです。座面の手前側は、腰をかける際に当たりがいいようにアール加工をしました。
砂利は、磨きの那智黒を敷きました。今回は外柵部分は霊園既設のブロック製のものでしたので、白っぽい砂利石を敷くより、このような重厚な印象になる色合いが良いのではないかと思い、おすすめして気に入っていただけました。立派な徳山石のお墓に見合った高級感ある磨きの那智黒で、引き締まった印象に仕上がりました。
先日お引渡しも無事に終りました。お仕事のご都合でお引渡しは奥様のみになりましたが、とても喜んでいただけました! ご主人様も、解体工事や基礎・据え付け工事など、工事の間に何度も足を運んでくださって完成をとても楽しみにしてくださっていましたので、喜んでいただけておりましたらうれしいです! 工事に立ち寄ってくださった際は、現場の職人へ差し入れなどもたくさんいただいて本当によくしてくださり、最後には丁寧にお手紙もくださって・・・本当にありがとうございました^^
今回は、ご先祖様からの立派なお墓を活かして、とてもきれいな形で移設することができました。古いお墓の納骨室を開けた際には、棚が折れてお骨壷が割れてしまっていたりといったトラブルもありましたが、今後はお参りのしやすい、納骨やお手入れもしやすいお墓になり、安心してお参りいただけると思います。これからもこれまで通り、大切にお参りいただけますとうれしいです。
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