両家墓にするための石塔の加工・改修。福岡市営西部霊園芝生墓地

ご覧いただきありがとうございます。博多の森石材店の寺田公平です。福岡市営西部霊園芝生墓地にて、両家墓にするための石塔の加工・改修をさせていただきましたので、ご紹介いたします!

施工前後のようす

福岡市営西部霊園 芝生墓地 石塔改修

 

ご相談いただいた経緯とお墓の状況

以前お世話になったお客様より、お墓についてお悩みの方をご紹介いただきました。西部霊園にお墓をお持ちで、区画番号を伺って現地確認に向かいました。今回はお客様のご同行はなく私だけで向かいました。

 

こちらがご相談のお墓です。西部霊園の芝生墓地にありました。

 

お石塔正面にはご家名が彫られており、香立前面には家紋が彫られています。お電話で伺ったお話では、奥様方のお家のお墓をご主人様が継ぐことになったため、姓の異なる両家のお墓にしたいということでした。

いまあるお墓を両家墓とする方法としては、三つの方法が挙げられます。①すべて新しく建て直す方法、②石を交換する方法、③既存の石を加工して彫刻をし直す方法です。今回は、既存の石を使用したいというご希望がありました。

 

こちらは法名塔です。ご納骨はされていたのですが、お名前の彫刻はされていませんでした。額字部分にもご家名があります。

 

また、こちらの法名塔は少し傾きが見られました。写真に撮って確認しておきます。

 

現地確認を終えて、伺ったお客様のご希望で施工内容のご提案を差し上げました。今回は、ご郵送とお電話でやり取りをさせていただきました。直接お会いしてのお話ではなかったので、分かりやすいよう図にしてご提案しました。

棹石については、前面を切削して磨き直し、新たに両家のご家名を彫刻します。切削するため、約3cmほど棹石の厚みが薄くなることになります。また、法名塔は額字部分を切削して彫り直し、黒色を入れ直します。香立や花立などもそれぞれ加工をします。今回はそれに加えて、沈下・傾きが見られた法名塔の脚の下に板石を追加することもご提案しました。お客様にもご了承をいただけて、工事をお任せいただけることになりました。加工を施す棹石と香立・花立、法名塔を工場へ持ち帰り、切削・彫刻を行いました。

 

作業完了です!

彫刻等を終えた石材を据え直しました。

 

お墓本体です。ご両家のお名前は縦書きで左右に並べ、花立は前面にそれぞれの家紋を彫刻しました。家紋が前面に彫刻されていた香立は、家紋部分を削り落としてきれいに磨きました。

 

法名塔です。納骨されていた仏様のお名前を新たに彫刻、印の板石を追加して傾かないよう補強しました。

 

額字部分も切削して彫刻をし直しています。これまでは金色が入っていましたが、より長持ちする黒色に変更しました。

 

横から見たところです。正面の彫刻をし直すために約3cmほど削り落とした棹石ですが、違和感なく仕上がっています。

 

棹石背面は彫刻はそのまま、取れかけていた色の入れ直しのみ行いました。

 

作業を終えて・・・

今回はお客様お立会いのもとのお引き渡しはできませんでしたので、お電話で完了のご報告を差し上げ、施工前後のお写真をご郵送いたしました。後日ご家族で確認しに行ってくださっていると思います。これからも末永く大切にお参りいただけるとうれしいです!このたびは当店にお任せいただき、ありがとうございました。また、ご紹介くださったお客様にも、改めて御礼申し上げます。

様々なご事情でお墓を継ぐことが難しい場合、お墓じまいをするケースもありますが、今回のように両家のお墓として残すことも選択肢のひとつです。その方法としては、①すべて新しく建て直す方法、②石を交換する方法、③既存の石を加工して彫刻をし直す方法があり、今回選ばれた棹石を加工して彫刻し直す方法は、棹石の厚みが3cmほど薄くなりますが、石の状態によっては自然に仕上げることも可能です。大切にされてきたお墓の既存の石を活かすことができ、費用も抑えることができるというメリットもあります。新たな彫刻内容も家名ではなく言葉やメッセージを選ばれるケースもあり、今回のように花立にそれぞれの家紋を入れるなど、状況によっては工夫次第で様々な選択肢があります。興味のある方はぜひ一度お気軽にご相談ください^^